
夫婦カウンセリングとは
夫婦カウンセリングとは、心理カウンセラーの意見を取り入れながら夫婦間の問題について話し合い、関係修復・改善を円滑進める為のカウンセリングのことです。
夫婦カウンセリングを受けることで夫婦の問題が明確になり、問題解決の糸口が見つかることもあるでしょう。
また、夫婦関係の問題は、なかなか身の回りの人には話しにくいデリケートな問題もあるかと思いますが、カウンセラーは過去に何件もの夫婦相談に乗っており、臨床心理士の資格を持っている人や心理学に精通している人も多いため、身近な人に相談するよりも現在の夫婦の状況に応じた的確なアドバイスを得ることができます。夫婦が今後どうすべきかが、より具体的にわかってくるでしょう。
また、その場でハッキリとした結論が出なくとも、カウンセラーに話すことで気持ちが前向きになったと感じる方も多いことでしょう。
夫婦カウンセリングを検討している方の中には「カウンセリングに効果はあるの?」と疑問・不安を抱く方々もいるかもしれません。カウンセリングを受ける前に予め夫婦カウンセリングとは何か知ることで最大限の結果を出せるでしょう。
この記事では、夫婦カウンセリングで解決できることや受けるメリット・デメリット、結果を出すためのコツを解説します。
夫婦カウンセリングで解決できること
まずは、夫婦カウンセリングで解決できることの一例をご紹介します。
コミュニケーション不和について
コミュニケーションの不足よって夫婦不仲に陥るケースは少なくないでしょう。夫婦カウンセリングを行うことで、コミュニケーションに対するそれぞれの価値観などを共有できるかもしれません。また、そもそも相手と会話が噛み合わない場合もあるかもしれません。的外れな回答をしてきたり、どんな話を振っても実のない返事が返ってきたりと、コミュニケーション不和が続けばストレスも溜まりますよね。
夫婦カウンセラーは、そういった現状の問題を分析し客観的なアドバイスをしてくれるでしょう。
価値観の相違について
金銭感覚、家事・仕事の重要度など、価値観の違いは当然あるでしょう。相手が何を考えているかわからなかったり、相手への思いやりが足りないと感じると結婚したことを後悔することもあるのではないでしょうか。
また、お互いが譲らない状態になると夫婦仲がより険悪になることもあるかもしれません。夫婦カウンセラーであれば第三者視点から、お互いの価値観を近づけていくようなアドバイスができます。
浮気問題について
浮気されることは非常に辛いことですし、離婚の危機にも繋がります。
浮気された側は、「浮気をやめさせたい」「離婚すべきか?」「このまま夫婦でいることができるのか?」「制裁を加えたい(慰謝料請求など)」など、様々な思いがこみ上げてくるでしょう。
夫婦カウンセリングでは、浮気問題の相談は多くありますので、まずは相談してみてください。第三者に話すだけでも、現状を整理できて、気持ちが多少なりとも楽になります。そこから、具体的にどのような行動を取っていくのかアドバイスしてもらいましょう。
夫婦カウンセリングのメリットとデメリット
これから夫婦カウンセリングを利用するにあたって、当然ながらデメリットもあることを知っておきましょう。こちらでは、夫婦カウンセリングのメリットはもちろん、デメリットについてもご紹介します。
メリット
冷静に話ができる
夫婦カウンセリングを終えたご夫婦から寄せられる感想として一番多いのが、「冷静に話ができた」という感想です。
どうしても夫婦だけで話し合おうとしても、お互いの意見を言い合うだけの話し合いになってしまいがちですが、カウンセラーがいることで冷静に話を進めることができます。
第三者として中立的で質の高いアドバイスをもらえる
繰り返しになりますが、夫婦カウンセリングでは第三者視点で中立的なアドバイスをもらうことができます。それに加え、夫婦カウンセラーは過去に何度も同様の相談を受けていて、尚且つ心理学などにも精通している為、非常に的確で質の高いアドバイスが期待できます。
話を聞いてもらえるだけでスッキリする
カウンセラーに日頃の悩みや不安を伝えるだけでも、かなりスッキリすることでしょう。また、あまり自分の思いを人に上手く伝えられない人でも、汲み取ることが上手なカウンセラーになら少しずつ伝えていくことで、心を開いていくのではないでしょうか。
今後の方向性が少しずつ明確になる
これからどのように前に進んでいけば良いのか分からない状態にある夫婦でも、これまで数多くの夫婦のお悩み相談を受けてきた夫婦カウンセラーであれば、今後二人がどうしていけば良いのか具体的な方向性を指し示してくれることでしょう。
デメリット
お金がかかる
夫婦カウンセリングとは相談を受けることが仕事ですので、もちろん相談料がかかります。
基本料金(1時間あたり) | 5,000~10,000円 |
延長料金(30分毎) | 3,000~5,000円 |
夫婦カウンセリングの料金相場は、だいたい上記の価格に設定されているところが多く比較的リーズナブルな金額で受けることができます。しかし、一回のカウンセリング(1~2時間)で1万円前後の費用がかかるものとして、それぞれの夫婦が抱えている問題の大きさにもよりますが、何度も通ったりすることになるとそれなりの金額がかかってしまいます。
具体的解決に繋がらない場合がある
夫婦カウンセリングを受けたからといって、必ずしも問題が解決するわけではありません。
夫婦の一方は関係改善を望んでいて、他方は離婚を望んでいるケースもあります。この場合、話し合った結果、最終的にはどちらかの希望に沿わない結果になることがあるでしょう。また、残念ながらお互いに納得する結論が出ないこともあります。
カウンセラーとの相性がある
勇気を出して夫婦カウンセリングを受けてみたものの、担当のカウンセラーと相性が合わない・アドバイスが的を射ていないなど、人によっては満足のいく結果が得られない可能性はあります。
実際に利用する前には、公式サイトやSNSなどを使って、どのようなカウンセラーなのかリサーチしておきましょう。
夫婦カウンセリングの流れ
それでは、実際に夫婦カウンセリングを利用した際の手順についてご説明します。カウンセラーそれぞれの方針などによる多少の違いはありますが、ここでは一般的なものを紹介します。
①ヒアリングシートを記入する
まず、実際に相談に入る前にヒアリングシートを書きます。
記入する内容は、現在の不安や不満、将来考えていることなどです。記入したヒアリングシートをもとにカウンセラーも話を聞き出してくれますので、少しでも思うことがあれば、遠慮なく自分の言葉で書いておきましょう。紙に書き出すことで、思考の整理にも繋がります。
②問題を分析する
ヒアリングシートをもとにカウンセラーが夫婦間での問題点を分析してくれます。分析するポイントとしては、以下のようなものがあげられます。
- お互いの思いにどこにどのくらいの開きがあるのか?
- 日常生活でどの程度のコミュニケーションがとれているのか?
- 夫婦でどちらが物事を決定することが多いか?
- 現状のままだと夫婦関係はどうなるか?
それに加え、経済的・精神的な状況も踏まえ、この夫婦・家族の“幸せ”という着地点がどこにあるのかを分析し、カウンセラーは問題解決するためのアドバイスをしてくれます。
③最終目標を明確にする
分析を行った後は、夫婦カウンセリングを行なうことによって達成する目標を明確にします。さらにその目標を実現するために夫婦で日常的にできることや個人・夫婦両方の観点から、将来的な目標や方向性を決めて夫婦・カウンセラーで共有します。
もちろん一度のカウンセリングで方向性がわかって解決する場合もありますが、目標に向けた現状を確認・報告するために定期的にカウンセリングを受ける夫婦もいます。
夫婦カウンセリングの効果を高めるためのポイント3つ
カウンセラーは話を聞き出すプロで、第三者としての的確なアドバイスも期待できますが、問題解決には夫婦それぞれの意識もとても重要です。こちらでは、夫婦カウンセリングの効果を上げる3つのポイントをご紹介します。
①相手の話を最後まで聞く
まずは相手の話をしっかり最後まで聞くことです。
夫婦仲が悪くなっていたり、マンネリ化していたりすると、相手の話を聞き流したり、遮ってしまいがちになります。
相手の話を新たな気持ちで聞いてみてください。もちろん、相手が話している最中に口を挟むこともNGです。相手の話を聞くことだけに意識を向けてみてください。そうすることで良い雰囲気で話し合いが進むかもしれません。
②相手の気持ちを理解しようとする
上述したように、相手の話をしっかり聞いた上で、相手が何を伝えようとしているのか?をしっかり理解しようとしてください。
ここでは自分の気持ちを伝えるよりも、まずは相手の気持ちを理解しようとすることに意識をおきましょう。
もちろん、すぐには理解できないかもしれませんが、理解しようと相手に歩み寄ることが大切です。
③相手とどのような夫婦になりたいかを共有する
①・②を経て、少しずつコミュニケーションが取れてきたら、お互いの意見を共有し合いましょう。
自分の意見を述べるときには、自分の意見を相手に押し付け過ぎないようにしましょう。相手の伝えたいことをしっかり聞き、しっかり理解して、お互いがこれからどのような夫婦を目指しているのかを共有しましょう。
まとめ
夫婦関係の修復を望む場合、相手の同意が得られれば夫婦カウンセリングを受けることをおすすめします。
どうしても時間はかかるかもしれませんが、夫婦がお互いに少しずつ変化していき、問題解決へと導かれることでしょう。
なお離婚を強く希望している場合には、離婚カウンセラーや弁護士への相談を検討してみてください。しかるべき場所に相談することによって、ご自身の希望に近い形で問題を解決できるでしょう。